ツイステ6章「冥府の番人」では、イデア・シュラウドがオーバーブロットします。
しかしイデアには、ほかの寮長たちとは大きく違う特徴があります。
それが、シュラウド家に受け継がれる「ブロットを燃やす呪い」です。
それなのになぜブロットを処理できるはずのイデアが、なぜオーバーブロットしてしまったのか?
さらに6章では、オルトの存在や冥府、ファントム、シュラウド家に背負わされた運命など、いくつもの要素が複雑に絡んでいます。
この記事では、イデアがオーバーブロットした理由やシュラウド家の呪い、オルトとの関係、ほかの寮長との違いを6章の内容から整理していきたいと思います!
イデアがオーバーブロットした理由は?
イデアがオーバーブロットした理由は、ひとつだけではありません。
幼い頃に弟オルトを失ったことへの罪悪感や、シュラウド家の後継者として決められた人生、6章でのオルトの行動、そして冥府という特殊な環境。
さまざまな「因果」が重なった末に起きたオーバーブロットと考えると、6章の流れを理解しやすくなります。
「オルトを失った悲しみ」だけではない

イデアの過去を語るうえで、弟オルトの死は避けて通れません。
幼い頃の出来事によってオルトを失ったことは、イデアの中に大きな罪悪感として残りました。
ただし、「弟を亡くした悲しみに耐えられなくなってオーバーブロットした」とだけ説明するのは少し足りない部分もあります。
オルトを失った出来事はずっと以前に起きていますし、イデアはその後もシュラウド家の人間として生き続けてきました。
6章でオーバーブロットに至った背景には、
- オルトを失った過去への罪悪感
- シュラウド家の後継者として逃れられない立場
- オルトの行動によって揺れ動いたイデア自身の心
- 冥府やファントムに関わる特殊な状況
- 大量のブロットに晒されたこと
など、複数の要因があると予想できます。
つまりイデアのオーバーブロットは、長年抱えてきたものと6章で起きた出来事が一気につながった結果と見ることができます。
イデア自身が語っていた「オーバーブロットの因果」
さらに興味深いのが、イデア自身が6章でオーバーブロットについて研究し考えていることです。
それまでに起きた複数のオーバーブロットを分析したイデアは、オーバーブロットを単純なひとつの原因だけでは説明できないものとして考えます。
魔法を使えばブロットが生まれます。
しかし、ブロットが増えただけですべての魔法士がオーバーブロットするわけではありません。
そこには本人の感情や精神状態、周囲で起きた出来事など、さまざまな原因と結果――つまり「因果」が関わっているとイデアは考えていました。
最終的には、本人の「心」が大きな引き金になる可能性にも行き着いています。
そして皮肉なことに、この考察はその後オーバーブロットするイデア自身にも当てはまるように見えます。
オルトとの過去、シュラウド家の運命、冥府で起きた出来事。
それぞれ単独ではなく、無数の因果が積み重なった先にイデアのオーバーブロットがあった、と考えると6章の構成ともよく噛み合ってきますよね。
シュラウド家には呪いがあるのになぜ?
イデアのオーバーブロットでもっとも不思議なのが、「シュラウド家はブロットを燃やせるのに、なぜオーバーブロットしたの?」という点でしょう。
ここが、イデアとそれまでのオーバーブロット組との大きな違いになってきます。
シュラウド家の呪いはブロットを燃やす

シュラウド家には、代々受け継がれている特殊な呪いがあります。
その呪いは、体内に生まれたブロットを燃やしてしまうという呪いです。
燃やすブロットがなくなれば、今度は本人の魔力まで燃料として消費してしまいます。
そのためシュラウド家の人間は、一般的な魔法士と比べてブロットが体内に蓄積しにくい一方、呪いそのものから逃れることもできません。
ここで注意したいのは、「シュラウド家は絶対にオーバーブロットしない」わけではないということです。
あくまで通常なら、発生したブロットを呪いが燃やしてしまうという仕組みです。
イデアが実際にオーバーブロットしている以上、「呪いを持っている=オーバーブロットが不可能」という意味ではなかったようです。
大量のブロットに晒されたことが関係?
舞台となったのは、シュラウド家が管理してきた冥府。
そこには数多くのファントムが存在します。
イデアはユニーク魔法「開かれた冥界の扉(ゲート・トゥ・アンダーワールド)」によって冥府の門を開き、その結果、冥府から噴き出すブロットの影響を強く受ける状況になります。
そのため、冥府で大量のブロットに晒されたことは、イデアのオーバーブロットに大きく関係していると見てよいでしょう。
作中で「ブロットの量が呪いの処理能力を上回った」と明言されているわけではありません。
そのため断定はできませんが、冥府という特殊な環境で、呪いでも処理しきれないほどのブロットに晒された可能性は考えられます。
通常ならブロットを燃やす側だったイデアが、圧倒的なブロットの中でオーバーブロットに至った。
ここが、イデアのオーバーブロットが特殊といわれる大きな理由となっています。
オルトはオーバーブロットにどう関係した?

6章ではオルトの存在も非常に重要です。
ただし、イデアのオーバーブロットを「すべてオルトが原因だった」と片づけることはできません。
冥府でファントムたちと融合したオルトの存在は、イデアがオーバーブロットする状況そのものと深く関わっています。
それと同時に、オルトはイデアの心や行動を大きく動かした存在でもあります。
オルトの存在はオーバーブロットの状況と深く関わっている
6章で大きく動き始めるのはオルトです。
イデア自身がオーバーブロットについて分析を続ける一方、オルトは自分なりの考えから行動を起こします。
やがて冥府では、ファントムと融合したオルトと、オーバーブロット状態のイデアが結びついた非常に危険な状況になります。
そのため、オルトとイデアのオーバーブロットを完全に切り離して考えることはできません。

一方で、イデアがオーバーブロットした背景には、オルトだけでは説明できない過去や感情もあります。
オルトは状況面でも感情面でも、イデアのオーバーブロットに深く関わった存在と考えるのが分かりやすいのかもしれません。
オルトがイデアに残したもの

現在のオルトのモデルとなったのは、イデアが幼い頃に失った実の弟オルトです。
幼い頃の出来事によって弟を失ったことは、イデアに強い罪悪感を残しました。
その後のイデアの生き方や、現在のオルトとの関係にも大きく影響しています。
6章でオルトに関わる出来事がイデアの心を大きく揺らしたのも、この過去と無関係ではありません。
ただし、弟オルトが亡くなった経緯や、現在のオルトがどのように誕生したのかについては、それだけでかなり長い話になります。
詳しい兄弟の過去については、別記事でまとめる予定です。
オルトの行動がイデアの「心」を動かした
イデアはもともと、自分の人生に対してかなり諦めの強い人物です。
外の世界への憧れを持ちながらも、自分はシュラウド家の人間だから仕方がない。将来もすでに決まっている。
そんな考えを抱えながら生きています。
しかし6章ではオルトが行動を起こしたことで、イデア自身もそれまで押し込めていた願いと向き合うことになります。
イデアの中にあったのは、単純な悲しみだけではありません。
「本当は違う人生を生きたかった」という願いも、ずっと心の奥に残っていたと考えられます。
オルトの行動は、その気持ちを表に引き出す大きなきっかけになりました。
そしてイデア自身が考えていたように、オーバーブロットには最後の引き金となる「心」が関わります。
イデアの心に影響した「決められた人生」

イデアには、オルトを失った過去とは別にもうひとつ大きな苦しさがありました。
それが、シュラウド家に生まれた時点で人生の行き先がほぼ決まっていたことです。
生まれた時点で将来が決まっていた
シュラウド家は、代々冥府を管理してきた一族です。
イデアも例外ではありません。
どれだけ別の世界に憧れても、いずれは家を継ぎ、嘆きの島で役目を果たすことが求められています。
幼い頃のイデアとオルトが外の世界に強い興味を持っていたことを考えると、この環境はかなり息苦しいものだったことが想像できます。
イデアの引きこもりがちな性格だけを見ていると「外へ出るのが嫌いな人物」に見えます。
しかし6章まで見ると、幼い頃にはむしろ外の世界を知りたがっていたことが分かります。
その夢を失っていった背景には、オルトの死だけでなくシュラウド家の役目もありました。
過去にも未来にも縛られていた
イデアは、二方向から逃げられない人物だったともいえます。
過去には、オルトを失った罪悪感。そして、未来には、シュラウド家を継ぐという決められた運命。
過去にも戻れず、未来も自分では変えられない。

イデアは、自分の人生に期待すること自体を諦めていたようにも見えます。
だからこそ6章でオルトが動き出したことは、イデアにとって非常に大きな出来事でした。
これまで「どうせ変わらない」と思っていた世界に、別の可能性が見えてしまったからです。
イデアのオーバーブロットを「弟を失った悲しみ」だけで説明すると、この部分が抜け落ちてしまうと思います。
イデアのオーバーブロットはなぜ「特殊」?

イデアのオーバーブロットは、それまで登場した寮長たちと比べても特殊と言われています。
最大の違いはやはり、本来ならブロットを燃やしてしまう人物がオーバーブロットしたことでしょう。
これまでのオーバーブロットと何が違う?
これまでのオーバーブロットでは、魔法の使用によって蓄積したブロットと、本人の強い負の感情が結びついて限界を超える流れが比較的分かりやすく描かれていました。
リドルなら母親の教育によって抑圧され続けた感情。
レオナなら王になれない立場への諦めや劣等感。
アズールやジャミル、ヴィルにも、それぞれ長年抱えてきた感情があります。
イデアにも強い感情はありますが、彼の場合はそこにさらに、「ブロットを燃やす呪いを持っている」という条件が加わります。
イデアは「ブロットを燃やす側」なのになぜ?
イデアの特異性を一言で表すなら、ここがポイントです。
シュラウド家は本来、ブロットを燃やす一族です。
冥府やファントムという外部要因が大きく関わっている点も、これまでのオーバーブロットとは印象が違います。
研究者のようにオーバーブロットを観察していた人物自身が、その現象の当事者になってしまう。
6章では、この皮肉な構造もイデアらしく描かれています。
オーバーブロット後も冷静に見える
もうひとつイデアのオーバーブロットで特徴的なのが、オーバーブロット後の様子です。
これまでの寮長たちは、オーバーブロットすると感情が大きく暴走する場面が目立ちました。
一方のイデアは、オーバーブロット状態でも比較的会話が成立し、目的を持って行動しているように見える場面があります。
だからといって、「イデアだけ完全に理性を保っていた」とまでは断定できませんが、ほかのオーバーブロット組と比べて、比較的冷静に見える場面が多いのは特徴のひとつです。
オーバーブロット姿の元ネタはハデス?

イグニハイド寮は、ディズニー映画『ヘラクレス』の世界観からインスパイアされています。
イデア自身にも、冥府を司るハデスを思わせる要素が多く見られます。
6章のオーバーブロットでも、冥府やファントムが大きく関わるため、『ヘラクレス』とのつながりを感じさせる部分があります。
ただし、イデアの元ネタやハデスとの共通点については、オーバーブロットの理由とは別のテーマです。
イデアの元ネタや『ヘラクレス』との関係については、別記事で詳しくまとめています。
\ 元ネタを知ってツイステをもっと楽しむなら /
オーバーブロット後どうなった?
冥府の門が開いたことで、状況はイデアとオルトだけの問題ではなくなります。
NRCの仲間たちは計画を止めるために行動し、最終的にはオーバーブロット状態のイデアと、ファントムたちと融合したオルトを引き離す必要に迫られます。
戦いを経て危機は収束し、6章はイデアとオルトにとって大きな転機となりました。
もちろん、それですべてが解決したわけではありません。
オルトを失った過去も、シュラウド家の人間として背負うものも消えません。
それでも6章を経たあとのイデアには、NRCでの人間関係やオルトとの関わり方など、それ以前とは少し違う変化が見えるようになります。
オーバーブロットを含む6章の出来事は、イデアが自分の過去やこれからの生き方と向き合う大きな転機になったといえるでしょう。
まとめ
イデアがオーバーブロットした理由は、「弟オルトを失ったから」の一言では説明できません。
イデアには、
- オルトを失った過去への罪悪感
- シュラウド家の後継者として決められた人生
- オルトの行動によって大きく揺れた心
- 冥府やファントムという特殊な環境
- 大量のブロットに晒されたこと
など、いくつもの要因が重なっていました。
さらにシュラウド家にはブロットを燃やす呪いがあるため、イデアのオーバーブロットはそれまで以上に特殊です。
何より印象的なのが、イデア自身が直前まで考えていた「オーバーブロットの因果」です。
過去、家の呪い、オルト、冥府、そしてイデア自身の心。
イデアのオーバーブロットこそ、ひとつではなく無数の因果が重なった結果だったのかもしれませんね。




